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”Any mind short&short #1"

2007-02-18
【逆デジャヴ】

 デスクに座ったまま寝てしまったらしい。タケスエは携帯電話を開き、時間を確認する。夜中の四時を少し過ぎたところだった。ポケットからタバコを取り出す。ソフトケースのラッキーストライクはくしゃくしゃになっていた。その中からタバコを一本取り出し口にくわえる。寝起きのタバコは特に上手いわけではなく習慣のようなもので、一種の目覚ましのようでもあった。
 パソコンのモニターはついたままだった。タケスエは二十六歳になろうとしていた。今は映像編集の仕事をしている。結婚式の映像編集の仕事が締め切りに追われタケスエは焦っていた。昨日もその仕事を一日中やっていたのだ。
 デスクに座ったまま寝てしまうことは一度や二度ではない。締め切りに追われれば追われるほど、そのような日が多くなるのだ。今、作業中の仕事は全体の半分ほど進んでいる、という状況だった。締め切りの日から逆算するとぎりぎりのペースである。タケスエは昨日の続きを始めるためマウスに手をのせる。慣れた手つきで映像編集ソフトを使いこなす。いつになくスムーズに作業が進んでいく。こんな時、タケスエは自分の才能のようなものを感じてしまう。
 作業を始めて一時間が過ぎた頃、急に腹が痛くなった。便意などではなく単純に痛いのだ。我慢することが出来ないほどの痛みに達した時、タケスエの意識は薄れていった。

 目を覚ますと時計の針は朝の七時を少し過ぎたところだった。目覚ましの音よりも先に目が覚めた日は何故か得した気分になる。先ほど見たはずの夢はリアリティのあるものだった。しかしその肝心な内容をタケスエは覚えていない。この時タケスエはまだ十六歳だった。十年後の二十六歳になった自分の姿を感じているのだが、覚えていないだけなのだ。
 
 夢は時として未来を伝えることもある。決められて未来は確実にある。それに気づくことは不可能だ。しかしそういった夢からの影響が本人の未来につながる影響力となっていることは間違いないのである。



【an author tsukasa nakae】
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