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"フィリピンバー・マランディ"

2007-03-10

その日は久しぶりに二月らしい寒さだった。

デスクに居るのが窮屈で、僕はふらっと店を出た。

ひんやりとした外の風をあびたかった。

ベンダーで缶コーヒーを買い、川沿いに向かった。

外は雨。

なんだ、まったりできねーじゃん。

回れ右してとりあえず歩き出した。

アーケードをぬけると、ちらほらといる人達の物音が聞こえる。

「オイ。」

「オイッ。」

誰か俺をよんでんのか?

気のせいか。酔っ払いやろ。

缶コーヒーをあけチビチビ飲みながらポケットに手を突っ込んでタバコを探した。

どこかに向かうわけもなく歩いた。

「オイッ。」

と、耳元で声が聞こえた。

俺の肩に手を乗せたオッサンは俺に言った。

「呑み行こうかぁ。」

「えらいしょんぼりと歩きよるのぉ。」

「一杯やらんか?」

さっきの声はオッサンあんたかい。

目の前を通りかかった俺に声かけたんかい。

「ごめん。おいちゃん。俺これから仕事やけ。」

「そぉかぁ、こんな街でも、めんどくさい事でも、やらなぁいけん時はやらないけんのぉ。」

「ふてくされて歩きよったけど、へこたれんなよ。」

「大丈夫。兄ちゃんなら大丈夫。」

「ありがと、おいちゃん。」

「おうっ、つっぱしれぇ。」

「ありがと。」

「よし。わしここ行くけど、いかんか?」

「いいや、おいちゃん。それにソコ俺ん家の目の前やし。」

「おう。じゃぁの。」

と言って、オッサンは俺の家の目の前にある

"フィリピンバー・マランディ"に入っていった。



オッサン。あんたはどこでなにしてる人で

周りからどう思われてる人かは知らんけど、

ふらっと出かけて、ふっと出会って、

たった20m、一緒に並んで歩いただけだけど、

今の俺には、オッサン。

すっげぇーあったかかったよ。

オッサンと別れてちょっと聞きたい事ができたんよ。

何かを選ぶって事は、何かを捨てるって事。

誰かを愛するって事は、誰かを愛さないって事。

その覚悟が、俺はまだできてない。

オッサン、本当に大切なもんちなんなんかね。


気が付けば雨はもうやんでた。

歩く方向は店に向かっていた。

デスクに戻った時にながれてた曲はこんな歌だった。



 どんよりした曇り空でも、Don't Worry!!

 俺のメッセージ、お前に届いたかな?

 どんよりした曇り空でも、Don't Worry!!

 根拠もないのに失礼だったかな?

 お前とか呼んだら偉そうだったかな?



オッサン、ありがと。


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【the talk is 薫りはベンジン】
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